【ウマ娘】メジロドーベル怪文書シリーズ「締切は再来週ですよ?」

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【ウマ娘】メジロドーベル怪文書シリーズ「締切は再来週ですよ?」
うますたぐらむのトレーナー
「先生、以前話してた駆け落ちモノの新作の件ですが」
「今はまだその時ではないわ」
「締切は再来週ですよ?」
府中某所、とあるファミレスにて。メジロドーベルは問題を先延ばしにしようとして失敗した。否、この場においては“メジロドーベル”という呼び名は相応しくないだろう。彼女は“メジロレトリバー”、トーンはあまり使いたくない派、正体不明の天才少女漫画家である。例によって例のごとく担当編集と打ち合わせ中。
「仕方ないでしょ。ネタはあるのに話してくれないんだから」
「話してくれない?」
「そ。身内にね、今回の題材にしたい人がいるんだけどこの手の話になると中々口を割らなくて」
「身内だろうとなんだろうとネタにする姿勢好きですよ。でもプライベートなことは他人に話したくない人もいるんじゃないですか?」
「メジロ家の家訓には『積極的に惚気けるべし。さすれば意中の退路は絶たれるであろう』っていうのがあるの」
「なんですかその打算に塗れた家訓。まあ事情は分かりました。身内揃って惚気ける中で、あまり積極的に話したがらない人なんですね」
うますたぐらむのトレーナー
「元からちょっと変わった人だったんだけど、まさか色恋に関してもアタシ達とスタンスが違うとはね…」
「メジロ家の中でちょっと変わってるって…逆にそれ普通の方なんじゃないですか?」
「アンタ今アタシの身内を変人ばかりって言った?」
「先生も含めて」
「とにかく、少し時間をちょうだい。話してくれない以上描きたくても描けないの。こうなったら何が何でも調べあげてやるんだから」
「そうまでして調べなくてもいいんじゃ…」
「メジロ家の家訓には『目には目を歯には歯を、惚気には惚気を』っていうのがあるの。アタシ達が惚気けたんだからあっちも惚気ないと不公平だよ」
「ハンムラビもビックリですね。そもそもやられたらやり返せって意味ではなかったような…」
なんてやり取りの数日後……
うますたぐらむのトレーナー
「調べあげたよ」
「本当に調べたんですか」
「アタシだけじゃ無理だったから身内の力も借りたけどね」
「身内にご自分が漫画家だって内緒にしてたんじゃ…?協力してもらえたんです?」
「皆その人の恋模様が気になってたから特に話さなくても協力してくれたよ」
「怖」
得意げに語るレトリバー先生に軽く慄く担当編集。最近は先生の実家の方への恐怖心も芽生えてきた。
「で、成果はどうだったんですか?」
「なんだ、アンタも気になるんじゃない」
「仕事なので。漫画に使えるネタか判断させてもらいます」
「ふーん。ま、そういうことにしといてあげる」
「御託はいいんで早くしてください。というかよく話してくれましたね。中々話してくれない人なんでしょう?」
「対抗心を煽ったんだよ。アタシ達が交互に惚気けることでね、その人の“私も惚気けたい”って心に訴えかけたんだ。“私だって彼との思い出ならたくさんあるのに…!”って我慢して歪んでる顔、中々見物だったよ」
「台詞が悪役ですよ…」
「異端児を気取ってはいても所詮はメジロのウマ娘。血には逆らえなかったようね」
うますたぐらむのトレーナー
「悪役じゃないですか…」
件の人に哀れみを覚えつつも、レトリバー先生にがここまで執拗にネタにしたがる相手。どんなカップルなのか気になってきた編集であった。
「相手の方はどんな人なんですか?その異端児さんに気に入られるくらいだから、メジロ家から見れば変わった人なんですか?」
「いや、そんなことはないよ。その人のやりたいことを優先してくれる人」
「へぇ、また素敵な方ですね」
「うん。パー…その人もね、それが嬉しくてついつい甘えちゃうみたい」
「ほうほう」
「で、甘えすぎて自分が教わったギャル語もその人に教え込んでね、見事に自分色に染め上げてギャル男にしたよ」
「やっぱりメジロじゃないですか。何なんですか貴方達は。ボディビルダーにしたりアシスタントにしたり」
「この前職場でついうっかりギャル語出しちゃって上司に注意されてるのを見かけた」
「深刻な染まり具合ですね」
「それを知ったパー…その人も私のせいだ…って凹んでたよ」
「めんどくさい人ですね」
「まあ何はともあれね、ネタは手に入ったし当初の予定通り駆け落ちモノで描こうとしたの。でも新たな問題が発生して」
「新たな問題?」
うますたぐらむのトレーナー
「ほら、駆け落ちって要は大なり小なり家に不満があるから家出するってことでしょ?身内をモチーフに描くってことはさ、その不満持たれてる家のモチーフがアタシ達になるってことなんだよね…」
「なるほど。つまりご自分の身内を悪役に据えたくないと。驚きました、日頃担当編集を振り回し、締切の引き伸ばしを強要する先生にも人並みの優しさは残っていたんですね」
「蹴るよ。でも、一応描いてみたの。筆が乗らないなりにね」
「どれどれ」
『ワタクシ オシルコ クウ』
「何ですかこの敵組織に1人はいそうなカタコトキャラは…」
「名家の“暴食”担当。気に入った物は何であれ食べ尽くすよ」
「何で駆け落ちモノに暴食担当なんて単語が登場するんですか。国家錬金術師とでも戦うつもりですか」
「仕方ないでしょ、筆が乗らないなりに悪役を模索したらこれに行き着いたんだから。でも結構気に入ってるんだよねこの子、愛嬌あって 」
「えぇ…間違っても漫画に出さないでくださいよ?」
暴食担当パックイーンの下描きを返しつつ、編集はため息混じりに難色を示した。
うますたぐらむのトレーナー
「そもそも駆け落ちモノのモチーフにしたいってことはその人はリアルでも駆け落ちしそうな人なんです?先生達は不満持たれてるんですか?」
「するよ。この前今月三度目の駆け落ちしてきたよ」
「は?」
「行先は確か熱海だったかな?お土産のプリンが美味しかった」
「駆け落ちって言うか小旅行じゃないですかそれ。熱海行って帰ってきただけですよそれ」
「どっか行く度にお土産買ってきてくれるし嫌われてはないと思うんだよね」
「だからそれ駆け落ちじゃなくて旅行ですって……あぁ、じゃあもうそれで行きましょう。お嬢様が駆け落ちと言いつつ彼氏と日本各地を旅行するんです。で、お土産を買ってきて家族に紹介する感じでオチをつけましょう」
「なるほど…当初の予定とは変わるけどお嬢様の小旅行モノは面白いかも。暴食担当も出していい?」
「ダメです」
後日、お嬢様が駆け落ちと称しつつ、パートナーと旅行する漫画のオチに毎回お土産をドカ食いするマスコットキャラを描いたらそれなりの人気を博したレトリバー先生だったとさ。
うますたぐらむのトレーナー
>「何で駆け落ちモノに暴食担当なんて単語が登場するんですか。国家錬金術師とでも戦うつもりですか」
グラトニーかよ
うますたぐらむのトレーナー
>グラトニーかよ
ラスト枠も兼任してる様に見えるが
うますたぐらむのトレーナー
>ラスト枠も兼任してる様に見えるが
ラストは色欲とかだけどマックちゃんいうほど色欲か?
うますたぐらむのトレーナー
色欲はこの世界のメジロなら標準装備
…いや一人の相手と寄り添い離れないのは色欲とはまた違うか?
うますたぐらむのトレーナー
編集のツッコミ力がどんどん研ぎ澄まされてるのを感じる
うますたぐらむのトレーナー
>編集のツッコミ力がどんどん研ぎ澄まされてるのを感じる
研ぎ澄ましてもこれにしか使えない…
うますたぐらむのトレーナー
>編集のツッコミ力はアタシが育てた











うますたぐらむのトレーナー
誇らないでください
うますたぐらむのトレーナー
プライドはともかくラースやエンヴィが難しそうだな
うますたぐらむのトレーナー
パーマー楽しそうにしてんな…
うますたぐらむのトレーナー
月に三回旅行ってエンジョイしてるな
うますたぐらむのトレーナー
そんだけ旅行してるのにあまり話したがらないのか…
うますたぐらむのトレーナー
>暴食担当パックイーン
ダメだった
引用元:https://www.2chan.net/
agunesu_dezital