【ウマ娘】アドマイヤベガSSシリーズ「私のトレーナーさん」

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【ウマ娘】アドマイヤベガSSシリーズ「私のトレーナーさん」
うますたぐらむのトレーナー
私のトレーナーさんはよくわからない人だ。勝手に支えて、勝手に付いていって、傍にいて、星を見るように上を向いて笑う。
あの人には私の色んなことを知られた。知られたけれど、今となってはそれは何だか悪い気がしない。
逆に私はあの人のことを何も知らない。お節介焼きのお人好し、それ以外はわからない。だから、少し知ってみたいとカレンさんに相談してみると、物凄く食いついてきて
「おにい……トレーナーさんとアヤベさんのトレーナーさんは幼馴染なんですよ! 今度聞いてみますね!」
という初耳の情報と共にいつの間にか協力されていた。
そうして知り得たのが、好物や好きなファッション、好みのタイプなど。だけど可笑しいのはそれを教えられて初めて、そういえばそうだともう知っていたことを思い出すこと。カレンさんはそれを聞いて嬉しそうにするけどよく分からない。
でもその中で初めて知ったのが、どうやら海が好きらしいということ。カレンさんによれば男二人でよく海に行っているのだそうだ。その割には、私とは合宿以外ではそんなところに行ったこともない。
うますたぐらむのトレーナー
だから、礼というわけではないけれど、合宿の時に星と海が綺麗に見える場所に案内してみようと計画を立ててみた。いつかのようにただ、二人で。
けれど、その計画はすぐに破綻した。月の明るさも、星の位置もちょうどいいその日に、待ちに待ったその日の夜にあの人は部屋にいなかった。ただ一人どこかに歩いていったらしい。
海ね。と直感で分かった。すぐに追いかけるようにして、海の方へと走って行く。バカみたいだと思う、ただ喜ぶ顔が見たいというだけで彼の後を追うなんて。
すぐに彼は見つかった。ただしすぐ横にカレンさんのトレーナーがいる形で。
二人ともただ砂浜に座って、波打つ海を見ていた。それが二人ともただ笑うでも話すでもなく、真面目な顔をして並んでいたので何故だか近くの木に身を隠すようにして耳を澄ましてしまう。こんなところ、いつもの彼女達に見られたらどう思われるだろうか。
「なぁ、もういいんじゃないか」
ふいに、カレンさんのトレーナーさんが口を開いた。その声があまりにも重々しく、苦々しいことに驚く。
「あの子も許してくれているさ。そうだろう?」
「そうだろうか?」
うますたぐらむのトレーナー
一瞬、私が何か怒ってしまったのか?と思ってしまった。すぐにそれが傲慢だと思い知る。
「そうさ! じゃないと先に俺が限界になっちまう、いつもどっかでお前が海に入って戻ってこなくなるかって心配になる……」
「そんなことしないさ、アドマイヤベガのトレーニングどうするんだよ」
何を言っているのかが分からない、あの人たちは一体何を話しているのだろう。私は今聞いてはいけないことを聞いてしまってるのではないだろうかと言いも知れぬ不安が心を襲ってくる。
「そう、そのアヤベさんだ! あの子だって自分を許せたんだ、もうそろそろお前も許してもいいはずだ! だろ!?」
「俺もウマ娘に生まれればよかったかな」
彼は少し自嘲気味に笑うようにそう言って、潮風に絡ませるように頭を撫でつけたようだった。
「俺はアドマイヤベガが許されるのを見た。ほんのちょっとだが森の中で……あの時確かに見たんだ。ウマ娘っていうのはそういう不思議なことが起きるのかな、死んだ人が見えるとか」
聴くな、と全身が警告を鳴らす。それでも体は動かない。
うますたぐらむのトレーナー
「お前だって見えるさ!」
「もう何年になるか、たった一度も見えも感じもしない。そもそも見えたとして……深い海で溺れ、助けを求めて掴んだ手を振りほどかれ、掴もうとした足から蹴飛ばされた人間を、兄を、妹は許してくれるだろうか」
渇いた酷く無味乾燥な声が痛いぐらいに耳に響く。月もないのに、彼の影が遠くに伸びて絡み合う二つになったように私は思えた。まるで片方が片方にしがみつくように。
「俺は許されたいから、アドマイヤベガを支えたのか? 彼女にシンパシーを感じたから? 時々そう思う時がある、彼女が救われれば、俺にも何かが見えるかもと」
「違うさ、お前は昔からいい奴だお人好しだ……そうじゃないか……」
カレンさんのトレーナーさんの搔き消えそうな声が風に乗って消えていく。それでもあの人はただ淡々と続けた。
「だが結局根本的に違うのかもしれない。選べなかった彼女と、生きるために踏み台にすることを選んだ自分では……」
うますたぐらむのトレーナー
腰が抜けるのを防ぐように下がった足が、パキリと枯れ木を踏んで音を鳴らす。二人がこちらに振り向くのが見えて、私はただ駆けだした。駆けて、駆けて、カレンさんの心配する声も聞かずに布団にもぐりこんだ。
もぐりながら震えた。震えながら子供のように涙が溢れた。分からない人が、本当に分からなくなるその恐怖に。振り向いた彼の眼にみた、深い深い海のような星の無い空のような眼を思い出して。
泣いた。
うますたぐらむのトレーナー
すいません出来心です許してください誰か続きをお願いします
うますたぐらむのトレーナー
ありがとうございます
それは置いておいて…お前が始めた物語だろ
うますたぐらむのトレーナー
アヤベさんが乾燥してるならトレーナーをベッチャベチャに湿らせればいい
そういうことだな?
うますたぐらむのトレーナー
これ湿ってるとかそういうことかなあ!?
うますたぐらむのトレーナー
アヤベさんが倒れて手を握ってたときにこのトレーナーは何を思ってたんだ…怖い…
うますたぐらむのトレーナー
ここでお預けを食らうとは思わなんだ
うますたぐらむのトレーナー
責任もってちゃんと着地させたまえ!
うますたぐらむのトレーナー
>責任もってちゃんとハッピーエンドにしたまえ!
うますたぐらむのトレーナー
どれだけかかってもいいから書ききれ







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