【ウマ娘】シンボリルドルフ怪文書シリーズ「トレーナーとの幸せな結婚生活」

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【ウマ娘】シンボリルドルフ怪文書シリーズ「トレーナーとの幸せな結婚生活」
うますたぐらむのトレーナー
「お先に失礼しまーす」
「ああ、お疲れ様」
ようやく解放されたと言わんばかりに部下である職員がオフィスを出ていく。
月曜日、一般的な企業や官公庁であれば休日明けのこの日、ここURAでは月曜・火曜日こそが定休日となっている。
ゆえにほぼ無人で、出勤していた職員の一人が退勤したことにより、私を含めて3人へと減った。
レースがある土曜・日曜日は、全部門全職員が出勤であり世間的には変則的かもしれないが、それを含めてもURAはそこまで特別特殊な団体ではない。
朝出勤・夜退社、繁忙期もあれば閑散期もあり、質が高いと私は思っている福利厚生もある。
もっとも、昨日は定時で上がるはずが突発的な仕事のおかげで帰るのが0時回ってからになり、結局今日にまで仕事が残ってしまった。
可能な限り、家族団欒食卓を囲んで…と考えてはいるけれども、ままならないものだ。
うますたぐらむのトレーナー
今日こそはと思い、家に着くであろう時間を夫にLANEを送ると、その時間ならレース教室に娘を迎えに行く時間だと返ってくる。
その帰りにスーパーへ寄る予定があるからそこで落ち合わないかとも。
今年で小学2年生になる長女は、遊び盛り走り盛りだけあって、教室でいっぱい遊んで、走っているんだろう。
私も、親バカなのだろうな。愛娘のこととなると、集中力が途切れ業務中にも拘わらず自然と頬が緩み手も止まってしまう。
人の親なら普遍的な事とはいえ、あまり職場の"シンボリルドルフ"としては相応しくはない。
もっとも、今日は殆ど誰も出勤していないし、モニターが私の顔を隠してくれているので誰にも分らないはずだけれども。
落ち合う時間を彼と確認すると、愛する家族に出迎えてもらうため、目の前の仕事に意識を戻した。
うますたぐらむのトレーナー
私がスーパーに着くと、先に着いていた夫と愛娘のヨシノが見え――娘があっ!ママ!と言いながら鹿毛をなびかせ私の足元まで駆け寄ってくる。
抱きかかえ、頭を撫でると柔らかな鹿毛がふわりと手のひらを迎え入れてくれる。髪を指で梳くたびに動く耳と尻尾がひどく愛らしい。
この子とより多くの時間を過ごすために、いっそ仕事を辞めてしまえば良いじゃないか、そんな誘惑の声すら聞こえてくる有様だ。
「ママ!今日もね、わたしが勝ったんだよ!」
「凄いじゃないか!」
パパから教わって私の走り方を真似て走ったのだと、ぎこちなくも一所懸命に説明するこの子の笑顔を見ると仕事の疲れもどこかへ行ってしまう。
「おかえり、ルドルフ。お疲れ様」
「ただいま、あなた」
娘の後を歩いてやってきた夫に、空いている左手を広げて見せると、私の体が彼に包まれる。
彼がいつもつけている香水の匂いが鼻腔をくすぐり、彼の体温が私を温めてくれる。
やはり、1日の終わりにはこれが無くては。ああ、ここがスーパーの前じゃなければ、おかえりのキスだってねだれたのに。
うますたぐらむのトレーナー
「パパーお菓子ー」
「お菓子は後だよ」
えー…と耳を後ろに絞って抗議するも、彼はどこ吹く風とばかりに聞き流す。
サブトレーナーとして時短勤務中の彼は、すっかり兼業主夫が板についたという様子である。まあ師匠があのエアグルーヴなのだから当然かもしれない。
「今日の夜は何を作ってくれるんだい?」
うーんと唸り、明後日の方向を見ながら顎に手を当てる。日本全国の、夕食を作る人たちの共通の悩みと仕草だろう。
「私の気分としては、何かお肉系が良いな」
そう伝えると、聞き取れない言葉をいくつか呟いた後に彼は答える。
「じゃあ久しぶりに、にんじんハンバーグでも作ろうかな」
「にんじんハンバーグ!?やったー!」
その瞬間、娘の表情もパッと明るくなる
うますたぐらむのトレーナー
「ルドルフも、それでいいかな?」
「もちろん。ああ、それと――私のハンバーグには旗も立てておいてくれ」
「また懐かしいことを言うね」
彼はくつくつと笑いながら、買い物を、そして晩御飯を急かしている娘の方を見て言う。
「それじゃあヨシノにもちょっとお手伝いしてもらおうかな」
ヨシノは、うん?と首を傾げて彼に尋ねる。
「にんじんハンバーグの材料探しさ」
まだ、ちょっと難しいかな?と彼が言うと、娘はできるよ!まずはあっち!と言うと私たちを案内するように歩き出した。
うますたぐらむのトレーナー
「お肉!」
「にんじんさん!」
「トマト!」
「たまねぎ!」
普段から買い物に付き合っているからか、ヨシノは迷いなく材料を次々と言い当てて私たちを売り場へ案内し、彼は籠の中に材料を入れていく。
「おわり!」
自信満々に、誇らしげに胸を張って宣言する娘に、よく覚えているねと言ってあげたいところだが…。
「おや、ひとつ足りないね」
牛ひき肉、人参、プチトマト、たまねぎともちろんこれだけでも作れるが、1つ足りない。
にんじんハンバーグを緑で彩るブロッコリーが
うますたぐらむのトレーナー
「ブロッコリーさんを忘れてない?」
「わたしブロッコリーやだ」
うってかわって、どうして余計なことを言うの?と言わんばかりの娘の態度を見て、彼がやれやれとため息をつく。
子供にありがちな食べ物の好き嫌いというやつだ。
他所の家の子の話を聞いていると、大体どこの家の子もブロッコリーは食べてくれるというのに、うちの子は関してブロッコリー嫌いのままきてしまった。
まあ、好き嫌いが激しいわけでもないから彼は無理強いするつもりはないと言い、私もそれに対して異論を挟むつもりはない。
それに、代わりとしてピーマン――の肉詰めだけ。炒め物その他はダメ。何故?――は食べてくれるので、そこまで深刻にとらえてはいない。
私の幼少期なら、私の両親はこうはいかなかっただろうが、私たちには私たちのやり方がある。
更に言うと、世間の一般論同様、お祖父ちゃん/お祖母ちゃんと呼ばれるようになった両親は、この子をはじめとして孫たちにはめっぽう甘い。
うますたぐらむのトレーナー
「ヨシノ」
屈んで娘と目線を合わせる。
「ブロッコリーさんもにんじんハンバーグを作るのに必要なお野菜さんなんだ。栄養がいっぱいで、私が走っていた時もよく食べていた。
あと、ハンバーグを緑色で綺麗に飾ってくれるからねすごく美味しそうに見えるようになるんだよ」
「それにだ。ブロッコリーさんはドレッシングをかけたりしたら、食べやすい…」
食べやすい…食べやすい…。
「そう、とても食べ"やさい"野菜さんなんだぞ!」
反応が無い。"やさい"と"やすい"で踏んでいることを理解するにはまだ難しかっただろうか。
となると次は――。いや、待て、これはまずいぞ。休日出勤の仕事帰りなのに冴えているどころじゃない。
笑いを抑えるのが難しい、もしもここが家ならば、はしたなく大声で笑うレベルだ。
「だから、食ベジタブル!」
うますたぐらむのトレーナー
ハハハと彼の笑い声が聞こえるが、娘は専属トレーナー時代の夫さながらの無反応を貫いている。
うーむ。これも、まだこの子には早すぎたのだろうか?英語はわかるから問題ないはずなのだが…。
彼は仕方がない子だなと呟いてからさらに続ける。
「じゃあ、いいよ。ヨシノはブロッコリー食べなくて。その代わりピーマン食べような」
「ママが作ったピーマンの肉詰めだったらヨシノも食べるだろう?」
娘は口を尖らせながらうーん、とは答えるものの、あまり芳しくない反応である。
「じゃ、野菜売り場行ってくるから。ママと一緒にお菓子売り場に行っておいで」
はーい、とブロッコリーの話が後を引いているのか、あれだけ行きたがっていたお菓子売り場なのにどこか素っ気ない。
「忘れてた、1個だけだよ!」
うますたぐらむのトレーナー
スーパーから帰宅後、リビングでプリファイを見ている娘を横目で見ながら彼は呟く。
「俺はピーマンもブロッコリーも嫌いだったが、この子はピーマンは食べるんだよなあ」
彼はまあ、ピーマンを食べると言っても肉詰めだけだがと付け加える。
「おや、ブロッコリーが嫌いなのは君譲りかな」
「かもしれんな。実を言うとな、昔から今ままでずっと野菜全般嫌いだよ」
「ほう」
今まで数えられないくらい食事を共にしてきたが、彼は野菜をよく食べるし、所謂ベジファーストを実践する人間だから意外だった。
もっとも、成人して食べ物の――とりわけ野菜の――好き嫌いを口にするブライアンのような人間が珍しいかもしれないが。
彼は苦笑いしながら続ける。
「まあ、嫌いでも食べているけど」
「そのうち自然と食べるようになってくれたら良いんだけどな。ハンバーグに混ぜ込んで出してみるか」
「騙し騙しも良いが、ひとつ思いついたよ」
うますたぐらむのトレーナー
「ん?」
「まず君が"パパも野菜が嫌いだけど頑張って食べてるんだよ"ってヨシノに言うんだ」
「そのあとブロッコリーを食べてみせる。そうしたら私が君をいっぱい褒めてあげよう」
「えっ、俺が野菜食べて褒められる役をやるの」
「当然じゃないか。君が手本とならなくて誰が手本となるんだい」
うますたぐらむのトレーナー
その晩、"嫌い"なブロッコリーを食べて私に褒められる彼は、ひどく複雑な笑顔をしていたが、続いてブロッコリーを食べた娘を見ると、苦労は報われたようだった。
うますたぐらむのトレーナー
ここの家はトレーナー君が家のこと全部やってそうという妄想
うますたぐらむのトレーナー
会長は現役時代の名声もあるんで大きい仕事してそうだよね
そしてヨシノの1997…大きくなるんだよ…







うますたぐらむのトレーナー
いい
うますたぐらむのトレーナー
家族話いい……
うますたぐらむのトレーナー
会長が子煩悩感あるの解るし
あの会長の両親もじいじとばあばになってるの想像するとかわいい
うますたぐらむのトレーナー
会長には帝王学施したけど孫には甘いのは普通にありそうだ…
うますたぐらむのトレーナー
公衆の面前でハグしていちゃついてる夫婦…
うますたぐらむのトレーナー
自分の戦績が凄すぎて娘の指導には一歩引きそうなところはある
うますたぐらむのトレーナー
7冠にちなんで7人子供産んでると良い
うますたぐらむのトレーナー
よく考えたらそうなのかも知れないが
JRAは土日が出勤で平日が休みなのか…
うますたぐらむのトレーナー
URAは産休も育休もだいぶしっかりしてそうな感じはあるな…
トレセン学園も
うますたぐらむのトレーナー
>JRAは土日が出勤で平日が休みなのか…
水曜から金曜は事務方は事務仕事してるし、技術職も馬場土木とか建築とか色んな所で仕事してる
土日は開催業務と呼ばれるレースにかかわる仕事に切り替わる
WINSの受付のお姉さんとかもJRAの事務員の方だしね
うますたぐらむのトレーナー
これじゃトレーナー君は理解ある彼君じゃん
うますたぐらむのトレーナー
出会った時からずっと理解ある彼君だったじゃん!
うますたぐらむのトレーナー
この二人はトレーナー君が主夫やってるのが一番想像しやすいし…
うますたぐらむのトレーナー
会長は母親になったら子供を甘やかしてしまうかもと自分で言ってるのがまた
うますたぐらむのトレーナー
>会長は母親になったら子供を甘やかしてしまうかもと自分で言ってるのがまた
でも実際は愛しすぎて厳しくなるタイプだとも思う
引用元:https://www.2chan.net/
agunesu_dezital