うますたぐらむの一般トレーナー
とうめいの術ってアンタも知ってる？
そう、良くウララがやって隣でデジタルが尊死しかかってるやつね
微笑ましいんだけど時折実際にウララの姿が消えてるように感じるのよ
それで思い切って聞いたらあの子が嬉しそうに術理を教えてくれて
「存在を希釈する事で周囲から認識されなくしている」らしいの
まあ簡単に言うとそこいらの雑草なんかは生えてても気にしないでしょ
だから実際にはそこにいるけど把握できなくなるんですって
ウマソウルの纏い方と術の発動までレクチャーして貰ったんだけど
いざ試す前にウララからリスクがある事も同時に教えて貰ったわ
あまり術の出力を上げ過ぎると世界からも認識されなくなるせいで
存在そのものが消失して無かった事になるんですって
怖いジョークかと思ったんだけど、あの子首を振ってね
「とうめいの術はいつの間にか在って、編み出したウマ娘は不明」らしいの
つまり実際に既にこの世界の理を外れた犠牲者がいるって訳
ま、そこは上手く使えば大丈夫でしょ。いくわよ、とうめいの術～っ

うますたぐらむの一般トレーナー
「ああウオッカさん丁度良い所に。貴方お一人？」
ふと気づくとカフェテリアにいたウオッカにマックイーンが声を掛けてきた
「いや見りゃ分かるだろ？どうした？」
「ほら、例のお菓子パーティを密かに再開しようと計画を練っているの」
「懲りねえなお前も…」
取り合えず考えておく、とウオッカがマックイーンから書類を受け取る
そして余った計画書を見つめたマックイーンが「…余りましたわ」と呟き
ウオッカもまた紅茶を飲み干し、席を立つ
後には誰も居ないテーブルと空のティーカップ
そしてもう一組の飲みかけの紅茶のカップのみが残されていた

うますたぐらむの一般トレーナー
「ふぅん…おかしいねぇ」
「ん？どうしたんだ？」
トレーナー室でソファに横たわりながらタキオンが身を起こす
「いつも大体この位の時間帯に私を頼りに訪れる被験者が居た気がしてね」
「うん…？　ああ、なんだカフェの事じゃないか？珈琲を差し入れにさ」
「ああそうか…多分そうだね、いや思考が些か鈍っているみたいだ
こりゃ砂糖は多めにしておかなくちゃダメかな」
「おいおい…虫歯には気を付けてくれよ？」

うますたぐらむの一般トレーナー
「ふぅ…」
睨めっこしていたＰＣから顔を上げ、そして肩を叩くと
新人トレーナーである彼はそのまま苦笑した
未だ担当バもいないのに
一体何をこんなにトレーニングメニューに夢中になっているのだろうか？
「ま、いざという時の為にこした事は無いからな」
そういえば午後から選抜レースがあるはずだと身を起こす
ひょっとしたら何か、強烈な個性を持つウマ娘と出会えるかもしれない
そう考えて振り向いた所で壁に出来たヒビが目に入った
「…？」
こんな所にこの様な物はあっただろうか？
一瞬トレーナー室の老朽化を疑ったがそうではない
ただでさえ掛かり気味のウマ娘対策に耐久性は折り紙付きの学園の施設だ
眉を顰め彼はそのヒビに手を触れる

うますたぐらむの一般トレーナー
「「「…あ」」」
ウオッカが隣のベッドに置かれた何者かの私物を見た時
タキオンが依頼されていた試薬を見た時
そして新人トレーナーがヒビをなぞった時
自然とその単語が脳裏に浮かび、口を突いて出た
「「「スカーレット」」」

うますたぐらむの一般トレーナー
「うわっ！？」
そして何かに覆いかぶされダイワスカーレットのトレーナーが床に崩れる
見ればいつ現れたのかそれは彼の担当バだった
「ス、スカーレットいったい何時現れたんだ？お前遂に隠密術まで…
…うん？スカーレット」
「や゛っ゛と゛気゛づ゛い゛て゛く゛れ゛た゛あ゛あ゛あ゛！！
ト゛レ゛ー゛ナ゛ー゛ぁ゛…゛」
彼にしがみ付き、そして泣き咽ぶスカーレット
そんな彼女の様子に驚きはしたものの
トレーナーは一先ず彼女を抱きしめ頭を撫で落ち着かせ始める

うますたぐらむの一般トレーナー
世界は彼女を思い出した

うますたぐらむの一般トレーナー
ウワーッ存在希釈！

うますたぐらむの一般トレーナー
ウワーッ！？危ねぇじゃねーか二度とやんなよな！？

うますたぐらむの一般トレーナー
よくあんな存在感の塊みたいな奴を忘れられたな…

うますたぐらむの一般トレーナー
逆にこのレベルに存在感固まってなかったらマジで誰もが気づかなかっただろうな…

うますたぐらむの一般トレーナー
すぐ使えるとは恐ろしい才能だな…

うますたぐらむの一般トレーナー
ウワーッ！？なんでもかんでも覚えてくるんじゃねえ！

うますたぐらむの一般トレーナー
ウワーッ！符牒を残しとけよスカーレット！

うますたぐらむの一般トレーナー
最初から無かった事になりかけてんのがやべーな…

うますたぐらむの一般トレーナー
最初からマックスパワーで術を使うなって！

うますたぐらむの一般トレーナー
とりあえず抱きしめて撫でるの良い
いやよくねぇわなんだこの危ない術

うますたぐらむの一般トレーナー
初手で抱きついてきたってことは
存在希釈しすぎて触れることもできなかったのか

うますたぐらむの一般トレーナー
ウララが手練の者すぎる…

うますたぐらむの一般トレーナー
シャドウウララちゃん

うますたぐらむの一般トレーナー
対マ忍ウララ

うますたぐらむの一般トレーナー
ウワーッ！血界戦線読んだのかなって思った！

うますたぐらむの一般トレーナー
たしかに何かあると抱きしめてもらうような完成した距離のダスカは良いものだがそれはそれとして掛かってもらう

うますたぐらむの一般トレーナー
「ウララさんも良くそんな危険な術を覚えたわね…」
「それがねキングちゃん。いつの間にか覚えてたの」
「えっ」
「だから多分、教えてくれたいなくなった子がいるんだろうけど思い出せないの」

うますたぐらむの一般トレーナー
今まで見たことないほど無防備な背中に飛びかかったらいとも簡単に抱きつけたけど
全く反応されなくて血の気が一気に引いていくダスカは正直すごく見たい

うますたぐらむの一般トレーナー
戻してよ！戻して頂戴よぉ！
アタシはただ…幸せになりたかっただけなのに…
戻してぇぇえええええ！！

うますたぐらむの一般トレーナー
ダスカの部屋に花束持って突入して遊びにきましたぁ！したら自力で戻ったりしない？

うますたぐらむの一般トレーナー
ウオッカにも気づかれず最後の頼みの綱のタキオンすらダメだったときのスカーレット

うますたぐらむの一般トレーナー
普段なら目の前に出れば反応してくれるのに飛びかかればすぐに反撃してくれるのに全く反応をしてくれなくて自分の事も忘れてるトレーナーをただ見ているだけのスカーレットは興奮する

引用元:https://www.2chan.net/