【ウマ娘】ファインモーション怪文書シリーズ「合コン当日─フェアリーハントだよ♪ よろしくね♪」

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【ウマ娘】ファインモーション怪文書シリーズ「合コン当日─フェアリーハントだよ♪ よろしくね♪」
うますたぐらむの一般トレーナー
「合コンをしよう」
俺の最初の教え子、ファインが成人を迎えてから少し経った頃。同僚にして友人であるトレーナーがそんなことを持ちかけてきた。珍しいと思った。彼はメジロアルダンの担当トレーナーで、真面目で合コンのような浮ついた空気とは無縁なタイプだった筈だが。
「いやさ、あの子達が無事に成人を迎えられたと思うとちょっとハメを外したくなって」
「なるほど」
気持ちはわかる。最初の教え子達の成人というタイミングで何となく肩の荷が降りたような気持ちになっているし、気楽な独り身である内に一度は体験してみたいこともあるだろう。
よし分かったさあやろうと、ついでにサトノダイヤモンドのトレーナーも巻き込んで、ワクワクしながらいざ迎えた合コン当日──
「フェアリーハントだよ♪ よろしくね♪」
「ヤマノジルコニアです♪」
「ガラスメジロウです……」
──対面から圧力を感じるのは、気のせいだろうか。
うますたぐらむの一般トレーナー
「あの、ファイ──」
「フェアリーハント、だよ♪」
最早何も言うまい。
ニコニコと楽しそうなフェアリーハントさん、微笑んで対面のトレーナーを見詰めている──ようで薄目でじっと様子を観察しているヤマノジルコニアさん、そして微笑んではいるが思いっきり耳を絞っているガラスメジロウさん。
対面している俺達は、皆同じ様に引き攣って冷や汗をかいている。
店内BGMとしてループしているメジロ賛歌が、やけに大きく聞こえる気がした。
「あー………………君達、ウマ娘だよね。今日の合コンの相手はみんなトレーナーだった筈なんだけど」
「はい、彼女達でしたら『急用』が入ったそうです。私達も本来の『予定』が無くなってしまい、暇を持て余していので丁度よく代打を務めさせていただくことになりました」
淡々と語るガラスメジロウさん。
予定、のところでピクリと肩を震えさせるアルダンのトレーナー。
一体どんな言い訳をしてこの場に来たのだ、これだから遊び慣れていないヤツは──と自分を棚に上げて横目で睨む。
うますたぐらむの一般トレーナー
「ダイ……ヤマノジルコニアちゃん? 君、まだ未成年だよね? こんなところにいちゃダメじゃ……」
「そうですか? なら、あなたがここから連れ出してください♪ 日も暮れていますし、エスコートしていただけますよね?」
ダイヤのトレーナーから助けを求める眼差し。
俺たちはそっと目を逸らして、席から追い出す様に彼の脇腹を肘で突いた。
おのれ裏切り者──そんな小さな呟きを残してサトノ……ヤマノジルコニアに引っ張られていく彼を見送った。
……さて。
「それじゃ、始めよっか♪」
合コンが、幕を開けた。
うますたぐらむの一般トレーナー
「……ご趣味は?」
迷った末に切り出した最初の一言。
まるでお見合いのようだ、と思ったがあながち間違いではないかもしれない。最早、お互いに対面の相手しか見詰めていないのだから。
「レース観戦を嗜んでいます♪」
そしてこの一言は想定内。ここからレースの話に繋げて、何とか話題のイニシアティブを──
「それと、最近はリフォームを」
「リフォーム……?」
「うん、実家のね♪ もうすぐ一人増える予定だから、間取りとか色々考えてるの♪」
──圧力が、増した気がする。
うますたぐらむの一般トレーナー
こうなると最早、アルダ……ガラスメジロウさんとアルダンのトレーナーがどんな会話をしているかに聞き耳を立てる余裕は無い。冷や汗を垂らしながら、ファインと見つめ合う。
「そ、そっかー……その人は幸せものだなぁ」
「ふっふーん♪ そうでしょ? その人はね、みんなを幸せにしてくれる妖精さんみたいな人なの」
「そっかぁ……それは光栄だな。君が幸せなのが一番だからね」
「ふふ、そうでしょ?」
「うん……でも、もう少し独り身でいたいんじゃないかな? あ、うん。『妖精さん』の話ね」
「なんで?」
「え?」
「なんで、そう思うの?」
ファイ……フェアリーハントの笑みが止まった。
真顔で上目遣いを向けてくる。
うますたぐらむの一般トレーナー
「ほら、国際結婚……『妖精さん』の話だけど、お互い母国語も違うし。それに、マナーとか作法も異なるだろうから……準備期間が必要じゃないかなって」
「そっかぁ……『妖精さん』は嫌じゃないだね?」
「それは勿論。きっと、何の柵も無ければ結婚を躊躇う理由は無いよ……いや、今すぐっていうのは難しいけど」
ファインは安心した、と目を細めて口角を緩める。
「じゃあ安心だね」
「え?」
「だって私、さっきから母国語を会話に交えてるけど問題なく会話できてるし。今こうして一緒にお食事してるけど、マナーだって完璧だよ。あ、『キミ』の話ね?」
──前が、壁。
うますたぐらむの一般トレーナー
どうやらフェア……ファインと日々を過ごしている内にある程度の能力が身に付いていたらしい。
確かに、ファインと一緒にお偉いお方々へご挨拶する機会が増えたので彼女に恥をかかせないようにSP隊長に教えを乞うたりした。
彼女について行く度に、ファインとは住む世界が違うと思っていたが──思い違いをしていたのは、俺の方だったらしい。
「好きな人と好きな人がいて。二人の間の壁はもう乗り越えられてる。じゃあ、答えは一つだよね」
「……そうだね」
「ふふ……♪」
責任。年貢の納め時。人生の墓場。
そんな言葉に囲まれて、独身生活が中段で揉まれていた。
うますたぐらむの一般トレーナー
「みなさま! ご注目を!」
意識の大外から差してきたのは退場した筈のヤマノジルコニアの大きな声。妙に肌が艶々している彼女の傍らには、少しやつれたように見えるダイヤのトレーナーが立っていた。
「折角合コンという場で集まったのですから、相応しき催し物を考えました!」
「そ、それは……?」
問い掛けるのはアルダンのトレーナー。顔もスーツも冷や汗でぐしゃぐしゃになっている。
「はい! それは──!」
果たして彼女の提案は──
うますたぐらむの一般トレーナー
「王様ゲーム! です!」
圧力が、強くなった。
うますたぐらむの一般トレーナー
こんな感じで殿下に内緒でハメを外して遊んでみたかった
うますたぐらむの一般トレーナー
あぁなるほど…
内緒でね……内緒…
うますたぐらむの一般トレーナー
お見合いですよね?
うますたぐらむの一般トレーナー
>店内BGMとしてループしているメジロ賛歌が、やけに大きく聞こえる気がした。
終
わ
り
だ







うますたぐらむの一般トレーナー
>店内BGMとしてループしているメジロ賛歌
なんかやだなぁ…
うますたぐらむの一般トレーナー
そして始まるゲーム
王族だーれだ
うますたぐらむの一般トレーナー
はーい🍀
うますたぐらむの一般トレーナー
>はーい🍀
あ!ゴメン!王様はキミだったね!
……次の王様は、ね?
うますたぐらむの一般トレーナー
王様ゲームに1人ガチの王族いるんだけど!
引用元:https://www.2chan.net/
agunesu_dezital